前編では、
時代の変化とともに婚活のあり方も多様化しているというお話をさせていただきました。
人々の価値観やライフプランに大きな差がなく
「結婚が当たり前」だった時代から、
インターネットの普及を通じて、
「結婚が決して当たり前ではない」
そんな価値観が多様化する時代へと
変化してきた日本。
画一的なサービスでは満足しなくなった消費者に、企業がなんとかお金を落としてもらおうと様々に知恵を絞った結果、
追求されるようになった「より便利に、より効率的に」は、恋愛市場も例外ではなく、出会いはシステマチックなものに成り代わっていきました。
今まででは考えられないほど、異性と気軽に、そして消費的に出会うことのできるサービス・ツールが格段に増える中、「出会いがない」はもはや言い訳といえるでしょう。
それではなぜ、
出会いのサービスがこれだけ増えたのに
カップル率や結婚率は
改善されないのでしょうか。
そう考えると答えは1つしかありません。
そう、結婚できない原因が
「出会いがないから」ではない
からです。
本質は時代の変化による副作用
恋愛や結婚をしたいのにできないという人の根本には、以下のような想いがあります。
「付き合いたいと思える異性に出会えない」
「相手のペースに無理に合わせる努力をするくらいなら1人でいた方がラク」
そこには自分が相手に合わせる努力を放棄した考え方が見え隠れしています。
ただし、こうした想いを抱く背景を考えると、
その責任を彼らに求めるのは
少々酷な理由があります。
私たちが直面している課題は「時代の変化」によってもたらされたものであることを忘れてはいけません。
「理想が高い」それって本当ですか
「付き合いたいと思える異性に出会えない」
という人に対する反論の1つに
「○○ちゃんは理想が高すぎる」
というものがあります。
もちろん、理想が高いのだから下げればいい、
と言うことは簡単です。
しかし、ここにも時代の変化があることを無視してはいけません。
それは、女性の社会進出です。
自分の仕事を持つようになった女性は、同時に自分の収入を持つようになりました。
そのため、企業はやがて女性をメインターゲットとした美容やファッションの広告戦略を取るようになりました。WEBメディア・SNSの発達、コスメ系動画の普及などでそのノウハウもシェアしやすくなりました。
つまり、どんな女性であっても、手軽にハイクオリティに美しくなれる機会が増えたのです。
これに拍車をかけたのは女性の仲間意識です。
女性の中で取り残されたくないという想いにうまく便乗した企業の戦略によって
男性からよく見られたいという気持ち以上に
彼女たちは自分磨きに精を出すようになったのです。
女子ウケという言葉が流行したこともその裏付けでしょう。
一方、男性側を取り巻く環境にも変化があります。まず所得が下がりました。
専業主婦が当たり前だった時代から、いまは共働きでなんとかやっていける時代です。
経済力はもはや男性の武器ではなくなりつつあります。
そこに、昔はなかった
「会いにいけるアイドル」・「コミュニケーションがとれる二次元キャラクター」の誕生です。
これにより、
男性側は女性の嫌な部分を見なくても
お金さえ払えば異性に気軽に癒してもらうことができるようになりました。
無理に女性のペースや理想に合わせなくても
彼女たちは嫌な顔一つせず笑顔で握手してくれるのです。
しかも、そこらにいる女性よりも
とびきり若くて可愛い子が、です。
結果、女性は自身の努力に見合った相手を求め、男性の見た目や経済力により高い理想を持つ一方で、男性は自分に自信を失い、口うるさくあれこれ言う一般女性に合わせなくとも、アイドルや二次元のキャラクターから努力せず癒される状況に逃げ込めるようになりました。
この男女間のミスマッチは理想が高いで片付けられる問題ではないはずです。
さらにいえば、
VRやAR、人工知能の発達によって
この傾向は今後、ますます顕著になると
私は考えています。
実在はしないけれど
24時間365日一緒にいられるアイドルというものが出てくるかもしれません。
それは女性側も同じです。
自分が理想とするイケメンと一緒にいられるインスタントな疑似恋愛ができるサービスも出てくることでしょう。
恋愛すら1人で完結する時代が、
もうそこまできているのかもしれません。
これからの婚活を考える
このように、時代の変化が、私たちを面倒くさい恋愛から遠ざけました。
相手への理想を下げられない、
相手に合わせる努力ができない
コミュニケーションに自信がない。
だから恋愛や結婚をしたいと口に出しつつ
心のどこかでできなくてもいいやと諦めている人たちがいます。
たしかに、恋愛も結婚も
決して華やかな側面ばかりではありません。
とりわけ結婚は、お互いの価値観をすり合わせ、相手に譲るべきところは譲り、理解し合う努力をしながら、長い年月を一緒に歩む行為です。そこには一種の泥臭い人間らしさが求められます。
けれどもだからこそ、
生身の人間同士だからこそ、
そして家族だからこそ、
体感できる幸福感
というのは間違いなくあります。
分かり合えない赤の他人同士だった2人が、一緒の時間を重ねることで固い絆で結ばれていく。
それは振り返れば、なにものにも変えがたい幸福な時間になるはずです。
それを諦めたくないと少しでも思うのなら、
出会いの場に繰り出す前に
踏むべきステップがあるのではないでしょうか。
今までの婚活は出会いを求めに場数をひたすらに踏む方法でした。
しかし、根本の原因が出会いの場の不足ではないのだから、いくら出会えるサービスが増えても意味がないのです。
どれだけ婚活パーティをしようが
結婚相談所会員が増えようが
相席屋が普及しようが
マッチングアプリが普及しようが
出会うハコが増えただけで、
結果が変わることはありません。
ただ、結婚したいと思った人々の
足を向ける先が分散するだけです。
だからこそ、これからの婚活は
まず時代の変化で置き去りにされた
自分自身の人間力を一定レベルまで引き上げる
そしてきちんとマッチする相手と出会う。
この2段階を踏むべきなのです。
いわば、「量より質」が求められる時代になってきています。
その方法はたくさんあると思います。
本を読むでもいい、独学で学ぶでもいい、自分が信頼できる人から師事を得るでもいい。
私はその道で実績を出してきた経験に基づき、手段の1つとして恋愛学校を提供しています。
一人でも多くの方が、
とびきり幸福でとびきり泥臭い
人間らしさを楽しむ人生を
歩めるよう願っています。
